2014年2月6日木曜日

私の治癒力について その2



前回(その1)の続きです。

1848年、米国の田舎町で不思議な現象が起こりました。
引っ越してきたばかりの家で、物音がしているのを、家族全員が毎日のように耳にするのです。あまり気になるので、一家は意を決して、その音の正体を突き止めようと考えました。音は何らかの意志を持ってしているのを感じていたため、こちらの質問に音の回数で答えて欲しいと言ったのです。家族の年齢などを質問したところ、音による合図が返ってきましたが、その答えはどれも正確なものでした。そして、町中の人たちの知るところになり、音の主が誰なのかを、尋ねることになりました。音の数でアルファベットの文字を知らせるという方法により、この音の主が判明しましたが、そこには惨劇がありました。この音の主は、この家に以前住んでいた家主に、500ドルを奪われて殺された行商人の霊であり、地下に埋められていると告げてきました。後日、地下を掘り返したところ、遺体の一部が見つかりました。以前から、音を鳴らすという、ラップ音現象は、世界各地で起こっていたと思われますが、今回は、霊がこの世の人に向けて音によりメッセージを送り、立ち会った人すべてが、目に見えない知性の存在、魂の存在を認めざるを得なくなった、初めての出来事と言われています。

その後は、英国の地において、唯物的な近代科学に挑戦するかのように、次々と心霊現象が起きることになります。特筆すべきことは、それらの現象を、気味悪がったり、怖れたり、あるいはインチキと決め付けたりするのではなく、ノーベル賞級の科学者の手により、真摯に検証した点にあります。心霊現象研究協会という非営利団体を設立して検証していくことになりますが、歴代会長には、首相も務めたバルフォア、蛍光灯の原理を発見したクルックス、アレルギーの父として有名なノーベル医学・生理学賞を受賞したリシェなどがいることからも、少なくても、いかがわしい団体ではないことがわかります。

心霊現象は多岐にわたり、数十年間、英国各地で起こりました。最も印象に残るものとして、「エクトプラズム」という心霊現象があります。40年近く前ですが、私が中学生の頃、同級生がオカルト本を学校に持ってきました。みんなで騒ぎながら見た覚えがあります。その中に、いすに座る女性(霊媒)の前に、別の女性が立っていて、雲みたいなものでつながっている写真があり、「エクトプラズム」と説明文に書いてありました。それを見た時に、信じられないけど、だましているようにも見えない、と感じた覚えがあります。この現象は、クルックス管(蛍光灯)を発明した化学者である、クルックスにより検証されることになります。

もしかしたら当初クルックスは、この現象をトリックだと思っていたのかもしれません。いすに座っている女性と、エクトプラズムとして出現した女性は、同一人物と考えていたようです。しかし、明らかに別人であることが分かったばかりか、驚くことに、出現した女性の皮膚を触った感触は、生体とほとんど変わらず、脈も触れたのです。英国医師会のガリーという外科医が、出現した女性の脈をとっている写真が残っていますが、生きた人間にしか見えません。数年間にわたり、検証を重ねた結果、クルックスが出した結論は、「信じがたいことだが、紛れもない真実」というものでした。霊魂の存在の肯定論者になったクルックスは、その後、科学者仲間からは、異端児扱いされますが、生涯自身の考えを撤回することはありませんでした。

科学者に否定されていた霊魂の存在を、目に見える形(物理的)の現象を顕現させて認めさせるという計画が遂行されて、それを目の当たりにした科学者は、唯物的な考えを、改めざるを得なくなったのです。

あまり知られていませんが、日本でも同時期に、常識では考えられない現象が起きていました。
中でも、長南年惠という山形の女性は、目をみはるような数々の霊的現象を起こしたとされています。それは、彼女が10分程度祈願すると、空ビン数十本が様々な色の水で満たされるというものでした。この水は、霊水として万病に効いたと言うことですが、試しにやらせてみようといった考えの人のビンには、なぜか水が入らなかったようです。故郷を出て、大阪にしばらく滞在しましたが、うわさが広まり、その驚異的な現象を、多くの人が知るところとなります。そして、新聞記事として取り上げられましたが、そのすぐ後に、当局の捜査を受けて、(民衆をかどわかした等の罪だと思われますが)裁判を受けることになります。1900年に神戸地方裁判所で公判が行われ、裁判長から空ビンに水を入れるという現象を、この場で再現できるかと尋ねられ、お易いことと、彼女は快諾します。裁判所が用意した封印された空きビンが手渡され、厳重な監視の下、検証が行われました。そして、公の場で、うわさ通りの現象が起きて、空ビンは茶褐色の水で満たされることになります。立ち会った、裁判官、検察官、弁護士等すべての人が、その現象がトリックではなく、真実であることを認めざるを得なくなりました。当然のことながら、彼女の疑義は晴れることになります。

説明が長くなってしまいましたが、このように19世紀後半から20世紀前半にかけて、世界各地で、常識や科学では説明ができない現象が起きました。時期が重なったのは偶然ではなく、目に見えない偉大な力が存在することを認めさせるために、綿密な計画が霊界で立てられて実行されたのです。この先、あらゆる科学(技術)が格段に進歩して、大きな戦争(世界大戦)が起きてしまうことを予見した霊界が、人類に向けて鳴らした警鐘だったのかもしれません。そして、時代の変化とともに、目に見える物理現象は起こらなくなり、代わって霊媒を通して霊界からのメッセージが届けられるようになりました。「シルバーバーチの霊訓」に代表される、全人類を啓発するための、高級霊からの霊言もあれば、亡くなった愛する人から、遺された人へのメッセージもあります。そして、病気を癒すヒーリングも、世界のいたるところで、行われていると思われます。これらのことすべてに共通する目的は、見えない力(霊力)がこの世に顕現することにより、魂が目覚め、人間は霊的な存在で、生命は魂であり死後も生きつづけること、愛が最も大切であることを、気付かせるためにあります。

人間には理性があるため、自らが経験しなければ信じない人がほとんどです。しかし、病気で長い間、苦痛を経験してきた人や、愛する人を喪い深い悲しみを経験してきた人は、魂に受け入れる用意ができつつあります。(霊的な)治癒力は、病気が癒されることにより、この世のものではない力が働いたことを認めさせます。亡くなった愛する人からのメッセージは、死後にも生があることを認めさせます。どちらも、魂を目覚めさせるためにあります。魂が目覚め、霊的真理がもたらされ、この世に生まれてきた意味を自覚し、本来の目的を成就していくことになります。

私も、霊界でこの計画が立てられたなどとは、空想のように感じられ、信じられませんでした。しかし、これまでのヒーリングを通じて、病気が癒されていくのを目の当たりにしていくうちに、目に見えない力が存在することは、動かしがたい事実となりました。その力を届けているのは、この世を慈しむ霊界の人であり、その始原が神であることを、徐々に得心していくことになります。「生命は魂」であり、「魂は神の一部」であり、「神は愛」であるという事実を、より多くの人に伝えるための手段として治癒力が存在し、私はその通路です。    

この潮流は急速に世界中に広まりつつあり、真実であるがために、その流れを留めることは、誰にも出来ません。






                                      

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